一般建設業と特定建設業の違いとは?

どちらを取得すればいい?

前回は、建設業許可でよくある不許可事例について解説しました。

今回は、建設業許可を取得するときに出てくる、

一般建設業 と 特定建設業 の違い

について解説します。

「一般と特定って何が違うの?」

「大きな工事を請け負うなら特定建設業が必要?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、一般建設業と特定建設業の違いは、請け負う工事そのものの金額ではなく、元請として受注した工事を下請業者へいくら発注するかが重要なポイントになります。


■ 一般建設業とは?

一般建設業とは、簡単にいうと、

特定建設業に該当しない場合に取得する建設業許可

です。

一般建設業だからといって、

「大きな工事を受注できない」

というわけではありません。

発注者から直接請け負う工事の金額自体には、一般建設業と特定建設業による上限はありません。

ポイントになるのは、元請として受注した工事を下請業者へ発注する金額です。


■ 特定建設業とは?

発注者から直接工事を請け負った元請業者が、その工事について下請業者へ発注する金額の合計が、

5,000万円以上

となる場合は、原則として特定建設業の許可が必要になります。

ただし、建築一式工事については8,000万円以上です。

つまり、

  • 建築一式工事以外 → 下請代金の合計5,000万円以上
  • 建築一式工事 → 下請代金の合計8,000万円以上

となる場合に、特定建設業許可が必要になります。

※令和7年2月1日の改正により、それまでの「4,500万円(建築一式7,000万円)」から引き上げられています。


■ 1億円の工事を受注したら特定建設業が必要?

ここはよく勘違いされるところです。

例えば、一般建設業の許可を持つ会社が、発注者から

1億円の工事

を直接請け負ったとします。

「1億円だから特定建設業が必要」

というわけではありません。

例えば、その工事のほとんどを自社で施工し、下請業者への発注額が2,000万円であれば、下請代金5,000万円の基準には達していません。

したがって、工事金額が1億円だからという理由だけで、特定建設業許可が必要になるわけではありません。

重要なのは、

「いくらで工事を請け負ったか」ではなく、

元請として下請業者へいくら発注するか」

ということです。


■ 下請として5,000万円以上の工事を受ける場合は?

これも重要なポイントです。

5,000万円(建築一式工事は8,000万円)という基準は、

発注者から直接工事を請け負った元請業者

についての基準です。

そのため、自社が下請業者として5,000万円以上の工事を請け負ったという理由だけで、特定建設業許可が必要になるわけではありません。

「5,000万円以上=すべて特定建設業」

ではないので注意しましょう。


■ 例えばこんな場合

ケース①

元請として8,000万円の管工事を受注

下請業者への発注額:3,000万円

一般建設業でOK


ケース②

元請として8,000万円の管工事を受注

下請業者への発注額:5,500万円

特定建設業が必要


ケース③

下請として6,000万円の管工事を受注

6,000万円の工事を請け負ったという理由だけで特定建設業が必要になるわけではありません。

この違いを理解しておくことが重要です。


■ 特定建設業は要件も厳しくなる

特定建設業は、多額の工事を下請業者へ発注することが想定されています。

そのため、一般建設業よりも厳しい要件が設けられています。

例えば、

  • 営業所に置く技術者の資格要件
  • 財産的基礎

などについて、一般建設業より厳しい基準を満たす必要があります。

特に財産要件については、以前の「カネ(財産要件)」の記事で解説したように、

  • 欠損額
  • 流動比率
  • 資本金
  • 自己資本

など、複数の基準を満たさなければなりません。


■ 一般建設業と特定建設業、どちらを取得すればいい?

自社で施工する工事が中心であったり、下請業者への発注額が5,000万円未満であれば、基本的には一般建設業を検討することになります。

一方、

「元請として大規模な工事を受注し、多くの工事を下請業者へ発注する」

という事業形態であれば、特定建設業許可が必要になる可能性があります。

自社の請負金額だけを見るのではなく、

元請なのか、下請なのか

そして、

下請業者へいくら発注するのか

を確認することが大切です。


■ まとめ

一般建設業と特定建設業の一番大きな違いは、

元請として受注した工事を、下請業者へいくら発注するか

です。

特定建設業が必要になる基準は、

  • 建築一式工事以外 → 下請代金の合計5,000万円以上
  • 建築一式工事 → 下請代金の合計8,000万円以上

です。

そして、

「請負金額が5,000万円を超えたら特定建設業が必要」ではありません。

ここは非常に勘違いしやすいところなので注意しましょう。


■ お困りの方はお気軽にご相談ください

「一般建設業と特定建設業のどちらを取得すればいいの?」

「今度、大きな工事を受注するけど一般建設業のままで大丈夫?」

「特定建設業へ変更したい」

という方は、お気軽にAOKATA行政書士事務所までご相談ください。

工事の請負関係や下請金額などを確認したうえで、必要となる許可をご案内いたします。


次回予告

第13回

知事許可と大臣許可の違いとは?

「県外の工事をするなら大臣許可が必要?」

というよくある疑問も含め、知事許可と大臣許可の違いを分かりやすく解説します。

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将徳山村